ファジィ推論(1)
ファジィ制御で最も多く応用されているのが、この直接法によるファジィ推論です。その推理手順では、まず前提条件として条件命題と事実を用意します。そして、そこから帰納的に結論を導き出します。例えば、以下に示す形態です。
条件命題: |
パソコンが |
高ければ、
 |
|
性能は良い
 |
事実 : パソコンは高い。
結論 : パソコンの性能は良い。
ここで条件命題、事実、結論における「高い」、「性能は良い」はファジィ集合で与えられています(パソコンの性能は0〜100までの数値で評価されるものとします)。そのため、直接法では「パソコンは少し高い」という事実が与えられれば、「パソコンの性能は少し良い」という結論(60という評価)を得られることになります。また、条件命題が複数になれば結論もそれだけ導かれることになります。その場合は、全ての結論を合成した結果を最終的な結論とします。例えば、
条件命題: |
パソコンが |
新しければ、
 |
|
性能は良い
 |
事実 : パソコンは古い。
結論 : パソコンの性能は悪い。
という結論も得られたとします。この場合は「性能は良い」という結論と合成を行うことで、「性能は普通である」という結論(50という評価)を得ます。
それでは、こうした結論はどのように推論(演算)されているのでしょうか?直接法によるファジィ推論ではマムダニのファジィ推論が最も単純に構成でき、推論結果も良好とされています。次節より実際に制御に適用する場合を踏まえて、マムダニのファジィ推論について説明していきます。
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補足説明