ファジィ制御器の設計(1)
ファジィ制御を実際に適用するとき、最初に問題になるのは制御器の設計、すなわち、制御ルールをどのようにするかということです。ここでは簡単な例として自動車のハンドルの制御について考えてみます。
この制御の目的は下図に示す目標線の上を直進させるようにハンドルの操作をすることです。車速を一定とするならどのようなファジィ制御規則が考えられるでしょうか?
まず、制御ルールの構造は、目標線に対する車の位置と向きからハンドルの切り角を決定するものです。例えば、目標線に対して車が大きく左側に離れているならハンドルを大きく右に切らなければなりません。また、車が右に向いているならハンドルを左に切らなければなりません。この時、目標線からの車までの距離をd、車の向きをθ、ハンドルの切り角をγ、車の位置を表すファジィ集合をPostionLeft、PostionRight、向きを表すファジィ集合をLEFT、MIDDLE、RIGHT、切り角を表すファジィ集合をleft、rightとすると、ファジィ制御規則は以下のようにまとめらます。
制御ルール1 : If d is PostionLeft and θ is MIDDLE then γ is right .
制御ルール2 : If d is PostionRight and θ is MIDDLE then γ is left .
制御ルール3 : If θ is LEFT then γ is right .
制御ルール4 : If θ is RIGHT then γ is left .
それでは実際にこれらの規則がどのように働くかを考えてみましょう。
車の状態が@の場合、車は左側にあり、その向きは目標線と平行です。そのため、制御ルール1が適用されて目標線から車までの距離に応じてハンドルは右に切られます。それでは、車の状態がAの場合はどうでしょうか?この時、車は右側にあり、その向きは目標線に対してやや左を向いています。そのため、制御ルール2、3が適用されることになり、規則2によりハンドルは左に、規則3によりハンドルは右に切られることになります。この場合、ルール2の適合度が高ければ(つまり、大きく右に離れているのなら)、ハンドルは左に切られます。逆に、ルール3の適合度高ければハンドルは右に切られます。
それでは、実際に自動車がどのような動きをするか確認をしてみてください。
自動車のハンドル制御シミュレーション1
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