電気情報工学科の全てをここでご紹介します

電気情報工学科には、2年生から4年生で「電気情報工学実験」という科目があります。
                電圧計や電流計を使ってさまざまな素子を計測したり、コンピュータの扱い方やプログラミングによる実験データの処理など、さまざまな実験を学生主体で行います。
              
また、4年生からは電気コースと情報コースに別れますが、実験もコース別の「電気電子工学実験」と「情報工学実験」に分かれ、さらに 専門的な内容について実験を行います。
ここでは、電気情報工学実験の一部をご紹介します。
                また、電気情報工学科では学生による自主制作などのPBL(プロジェクトベース学習)を取り入れており、実験でも学生が思い思いの作品を作っています。
                これらについては、E科のPBLを参照してください。
              
※実験は技術の進歩やその他の状況で毎年変更しています。このページにある実験を将来行わない可能性があります。
                畳み込みフィルタや明るさの調整など、基礎的な画像処理について学習します。
                コンピュータが画像を扱う際には、縦横に色を持った画素が集まったものとして扱います。
                この実験では、ぼかしや明るさ調整などかんたんな画像処理について、「画素にどのような操作をしているか?」という観点から学習します。
                
ボタンを押すと画像にフィルタをかけることができます。試してみてください。
              
                電圧波形を観測するための器具であるオシロスコープの使い方を学習します。
                乾電池などが出力する電圧は、時間による変化のない直流電圧ですが、
                家庭のコンセントなど、身の回りで時間によって電圧の変化する交流がひろく使われています。
                オシロスコープを使うことで、交流波形を目に見える形で観測することができます。
              

                UNIXというOS(基本ソフト)で動くコンピュータを、文字によって遠隔で操作する方法を学習します。
                みなさんが普段使っているパソコンのOSはWindowsやmac OSです。これ以外のOSを目にする機会はほとんどありませんが、
                実は世の中にあるサーバなどは、その多くがUNIX系と呼ばれるOSで動作しています。
                UNIX系のOSは、多くの場合、マウスでアイコンをクリックするような視覚的な操作でなく、文字だけで操作するようつくられています。
                この実験では、Microsoft Azureというサービスを利用し、クラウド上にあるサーバに遠隔でログインしてUbuntuというOSを操作し、
                ファイル操作の方法や権限などについて学習します。
              

                プログラミング言語であるPythonを使い、基礎的な計算や実験データのグラフ化方法を学習します。
                電気情報工学科ではC言語やJavaなどのプログラミング言語を学習しますが、Pythonはその中でも複雑な処理をかんたんに記述できる便利な言語です。
                この実験では、基礎的なPythonの文法を学習したあと、ほかの実験で計測したデータを分析したり、グラフとして見やすくするための方法を学習します。
              

                一方向にしか電流を流さないダイオードという半導体素子の特性を調べます。
                中学校の理科で、抵抗に流れる電流は電圧に比例するというのを習ったかと思います。これをオームの法則といいます。
                実は、あらゆる素子に電圧をかけたときにオームの法則が成り立つわけではありません。この実験で使用するダイオードには、一方向にしか電流を流さない特性があります。
                電圧計と電流計を使って、この特性を計測します。
              

                一定の電圧や電流を供給する電源について実験します。
                電圧源には、身近なもので電池があります。電池は、どのような機器に入れても基本的には同じ電圧(1.5Vなど)を発生させます。
                また、電流源はどのような負荷(機器)をつないでも同じ電流を流す電源といえます。あまり身近なものでは思いつきませんが、電気回路の理論を学ぶ上で重要な概念です。
                この実験では、設定した電圧や電流を作り出せる直流安定化電源を利用して、負荷を変えたときの電圧源や電流源の振る舞いを学習します。
              

                電気回路の基礎的な法則が成り立つことを、簡単な回路によって確かめます。
              
                R, L, Cが混在した回路に交流電圧を加え、位相や振幅を計測します。
                交流回路で重要な素子に、コイルLとコンデンサCがあります。抵抗Rのみであれば電圧と電流の波形は同じような形をしていますが、LやCが回路に入っていると、電圧と電流の位相がずれます。
                このような波形のずれをオシロスコープによって観測します。
              
                0/1の演算を行う論理回路の基礎的な動作を実験します。
                コンピュータの内部では、さまざまな状態などの信号をONかOFFかの2通りだけで表現します。たとえば255のような大きな数字でも、2通りの表現を8個組み合わせて作ることができます。
                こうしたデジタルな値に対して演算を行ったり、その値を記憶する回路を論理回路と呼びます。この実験では、論理回路の集積されたICを使い、かんたんな論理回路を作って動作を学習します。
              

                感染症モデルの数値解析を行い、身の回りの現象をモデル化して計算する方法を学習します。
                感染症の広がり方を単純なモデルとして、SIRモデルがあります。感染者数や人々の接触、接触による感染率などを設定することで、微分方程式から感染の広がり方をシミュレーションすることができます。
                実際にSIRモデルをPythonで実装し、感染の広がり方と、接触の制限や抗体の効果について考察します。
                
スライダーを動かすと、感染状況のシミュレーションを行えます。
              
                小さな電流で大きな電流を制御できるトランジスタという半導体素子の特性を学習します。
                皆さんが部屋の明かりをつけたり消したりするときにスイッチを使うと思いますが、トランジスタを使うことで、手で押すかわりに小さな電気信号によってON/OFFを切り替えられます。
                これだけだとあまりすごくなさそうに聞こえますが、このスイッチを何十、何百と組み合わせることで、もっと複雑な演算をすることができます。
                スマートフォンやパソコンの頭脳であるCPUの中には、たくさんのトランジスタが入っていて、複雑な演算をこなしています。
              


                交流回路で、特定の周波数でLとCのインピーダンスが打ち消し合う共振という現象を学習します。
                交流回路において、コイルLやコンデンサCは電気が流れるのを妨げる役割をします(抵抗は直流回路においても電気が流れるのを妨げる役割をしていますよね)。その役割の強さは周波数によって変わります。
                しかし、LとCを直列につなげると、その妨げる役割が打ち消し合い、ある特定の周波数では妨げる効果がなくなります。これが共振です。
              


                入力電圧を数万倍に増幅できるオペアンプの、高周波での振る舞いについて調べます。
                オペアンプは、電源をつなぐことで小さな入力電圧を最大で数万倍にまで増幅することができます。
                たとえば、マイクから入力された小さな音の信号を大きくしてスピーカーで鳴らすときに使われます。
                オペアンプには周波数特性があり、高い周波数では信号を大きく増幅することができなくなります。周波数と増幅率の関係を計測によって調べます。
              

                フリップフロップという入力を保存できる論理回路を作成し、それを応用したカウンタ回路を作成します。
                論理回路には、2つの入力の両方がHIGHのとき出力をHIGHにするAND回路、片方でもHIGHならHIGHを出力するOR回路、1つの入力のHIGH/LOWを反転するNOT回路などがあります。
                これらを組み合わせることで、入力を保存するフリップフロップという回路を作ることができます。
                さらに、フリップフロップを組み合わせることで、2進数で数を数えるカウンタを作成することができます。
              


                電気を通さないものを金属板で挟んで両端に電圧をかけると、金属板は電気を蓄えることができます。この充電と放電の特性を調べます。
              

                コンピュータの中でのデータの表現方法を、バイナリエディタを使って調べます。
                コンピュータの中では、文字や画像のデータは全て1と0を組み合わせた2進数で表現しています。
                この表現をバイナリエディタというデータを直接見ることができるソフトで確認し、ファイルの圧縮についても考察します。
              

                マイコンボードとして、2年生よりやや高度なRaspberry Pi Picoを用い、各自が自由なアイデアで作品を制作します。
                3年生では、モータや無線通信など、より高度な制作に挑戦します。
                PBLを参照してください。
              

AM, FMの波形を周波数解析し、どのような周波数のエネルギーを多く持っているか求めます。
                データベースをSQLという言語で設計・操作する方法を学習します。
              

                トランジスタを使ったパルス発振回路であるマルチバイブレータを設計し、動作を確認します。
              
                光ファイバーを通して信号を伝搬し、信号の劣化について確認します。
              

                インターネット通信を行う際に送受信されるパケットを解析し、ネットワークの技術を学習します。
              


              4年生後期からは、電気コースと情報コースに分かれ、さらに高度な実験を行います。
              電気コースでは、200V 三相交流で動くモータなどの電気機器を扱います。特に安全への注意が必要です。
            
                直流100Vのモータについて、起動法や界磁電流・電機子電圧などを変化させたときの特性を測定します。
                負荷として発電機を接続したときの特性も測定します。
              

                三相200Vの誘導モータについて、各種損失の試験を行い、起動法を学習します。
                また、インバータによる制御についても実験します。
              

                単相変圧器の各種損失について試験を行います。
                また、単相変圧器を三相接続し、位相のずれなどを測定します。
              
                位相制御に使われる素子であるSCRを使い、電力の制御を行います。
              

                サーボモータの入力電圧と回転数の関係を実験によって求めます。
                また、PI制御の各種パラメータを変更し、応答を確認します。
              


              4年生後期からは、電気コースと情報コースに分かれ、さらに高度な実験を行います。
              情報コースでは、JavaやPythonなどを使い、実装能力を鍛えます。
            
JavaのコンポーネントであるSwingを使い、ボタンのクリックなどのイベントを処理するプログラムを開発します。

Socket通信を使い、他のコンピュータと通信を行うプログラムを開発します。

Raspberry PiにLinuxの一種であるUbuntuを導入し、LAMP環境を構築します。

画像の輪郭検出や物体検出について、アルゴリズムを考えて実装します。
