学習させるパターンは,参照・比較をしやすくするため, 図 1.1 と同じようなような要素数 100 の 4 組のパターンを使用する。 本研究では,パターンの要素平均と想起状態の関係を調べるため, 要素平均を変更したパターンを用いる。ただし, 内部定数を変更しながら関係を調べるので, 要素平均が 0.50 のパターンについても検索する。
また,これらの検索結果を比較しやすくするために,次のような条件で検索する。
pzd172 の条件は,各パターンごとの直交性に対する影響を同じにし, 直交から外れることにより,うまく学習されなくなることを防ぐためである。 pzd173 についても, 異なった要素平均のパターンを用いることによる影響を除き, また,比較・整理をしやすくするためである。 しかし, 以外の範囲では,pzd172, pzd173 の 条件のパターンは存在しないので pzd174 のような範囲となる。
次に,検索にあたっては,各 4 組ずつのパターンにつき,内部定数変更ごとに, それぞれ 1 組のパターンに対して 50 回ずつ, 合計 回検索する。 内部定数は,式 (6.6) の , 式 (6.7) の , の 3 パラメータを変更して検索する。 その中から,最も検索結果がよいパラメータ値 (全検索が成功し,想起平均時間が最も小さいもの)についてまとめる。 そのパラメータ値を探す方法としては, よい結果が得られるパラメータ付近を重点的に調べ,また, 要素平均が近いパターンのよい結果が得られるパラメータ付近についても, 要素平均とこれらのパラメータ間に何らかの関係があるものとして考えた場合, その付近に結果がよいパラメータが存在する可能性が高いので, 同様に重点的に調べることにより,結果をまとめることにした。
なお,その他のパラメータについては,カオス状態より自己想起状態を強めるため, 相関学習の式 (5.2) の定数 c をこれまでに使用していた値 [1, 2, 4, 13] (c=0.25) の 4 倍とした(式 (6.1), (8.2) についてはすでにこれを考慮に入れた式である)。 また,出力関数である式 4.2 の「温度」 についても, 以前の値 ( ) の 0.01 倍とした。ただし, 付録 A.4 のプログラムでは c, に対する変数 sok,eps の指定値は, プログラム上で自動的にそれぞれ 4,0.01 倍になるので, 以前と同じ値を設定すればいいようになっている。したがって, このプログラムを使用してこれらの値を変更する場合には注意が必要である。