吉村 優治 嘱託教授

研究内容

概要

本研究室では「環境保全から防災まで」を念頭に置き,地盤・環境を通して地球と会話しながら研究を進めています.現在は,①持続可能な循環型社会構築を目指す総合的研究,②地盤の形成過程および土質の工学的性質の解明の二つを大テーマとして,地盤工学の立場から,土の堆積環境や物性・強度,あるいはリサイクル,環境問題などについて,様々な角度から分析・研究を行っています.

[森林整備と森林資源の有効利用]
本来,森林には水源涵養,土砂流出防止,生物多様性の保全,CO2の吸収などの機能がある.また,日本の伝統的な風景「里山」は,森林をはじめとする自然環境はこどもの遊びの舞台,市民の憩いの場である.わが国の森林割合は約66%,本校の立地する岐阜県は81.8%で全国第2位,本巣市は86%にも及んでいる.本研究室では,適正な間伐による森林整備,その森林資源の有効利用,一般市民への啓発活動を通して,森林再生を目指しています.

[建設副産物のリサイクル]
建設業の分野では,平成3年4月にリサイクル法,平成12年5月に建設リサイクル法が制定され,建設工事の際に資源の有効利用,環境保全の問題を考慮することが必須の条件になってきています.これまでは,軽量気泡コンクリート廃材を対象として,軟弱地盤上への適用に関する研究を進めてきましたが,現在は環境問題を考慮しながら建設残土を再利用する研究に取りんでおり,今後はさらに幅広く建設副産物のリサイクルの研究に取り組む予定です.

[濃尾平野の堆積環境・地盤強度の推定]
私たちが住んでいる濃尾平野は,わが国有数の沖積平野であり,軟弱な地盤が広範囲にわたり深く分布している災害に危険な地域です.そこで,濃尾平野ボーリング資料などに基づいて,濃尾地盤の堆積過程や堆積時の環境の推定に関する研究を進めるとともに,地震時の液状化判定,構造物築造時の沈下予測など工学的諸問題の解明を行っています.

[土の物理的性質・工学的性質の測定,推定]
地盤を構成している砂や粘土は,顕微鏡で拡大して見ればバラバラの粒子の集合体です.一般の土は,この土粒子に空気と水が加わり三相混合体となり,その挙動は極めて複雑でになります.この複雑な土を少しでも解明するために,コンシステンシー限界の新しい試験方法の提案,原位置での地盤強度の測定手法の提案,粒子形状に着目した粒状体の強度の推定,サクションを測定した不飽和土の試験など土質力学全般にわたる研究を進めています.

専門分野/キーワード

  • 地盤工学/濃尾平野,リサイクル,森林整備,循環型社会

主な研究テーマ

  • 土の物理的性質・工学的性質の基礎的研究
  • 濃尾平野の堆積環境・地盤強度の推定に関する研究
  • 建設副産物のリサイクルに関する研究
  • 森林整備と森林資源の有効利用に関する研究

所属学会

  • 土木学会
  • 地盤工学会
  • 日本自然災害学会
  • 日本工業教育協会

研究者情報

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研究紹介

ひとこと

環境都市工学科では,道路や鉄道,河川整備,トンネルやダムなどの構築や自然災害から私たちの生活を守るための「社会基盤を整備」と,環境に配慮した「循環型の都市づくり」について学びます.
私の専門は地盤工学(あらゆる社会基盤の基礎・土台であり,まさに縁の下の力持ちです)ですが,最近は自称「環境負荷低減を考える研究室」と呼び,森林面積率が本校の立地する岐阜県は81.8%で全国第2位,本巣市は86%にも及ぶことから,適正な間伐による森林整備とその森林資源の有効利用が地球温暖化防止に寄与していることを研究し,一般市民への啓発活動にも取り組んでいます.
環境都市工学科は,防災・減災を念頭においた安全・安心・快適な社会基盤整備,交通安全や渋滞の緩和,建設廃材のリサイクルや地球温暖化防止などについて自然と共生・調和した環境に優しい持続可能な社会を創ることができる実践的技術者の育成を目指しています.世の中のために,日本のために,地域のため何かしたいと考えている諸君をお待ちしています.

お知らせ

令和4年度の卒業研究にて,卒業生が地図に残した仕事をプロットしました.是非,ご覧下さい!!

お問い合わせ先

吉村 優治

058-320-1401

yuji@gifu-nct.ac.jp