岐阜高専のキャリア教育CAREER EDUCATION

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コンピテンシーを高めやり抜く力(Grit)を育む高専キャリア教育

岐阜高専のキャリア教育プログラムについて、プログラムを作製した背景や構築方法などを解説したページです。

1. 養成すべきキャリア能力

写真  キャリア教育は、学生に「教育」という視点からどのような能力を鍛え育てるかという点を明確にする必要がある。養成すべきキャリア能力は大区分として5分類に分けて「キャリアプランニング」「社会人としての基礎能力」「技術者としての能力」「グローバル能力」とした。「グローバル能力」以外の4分類は、電気情報工学科で実施していたキャリア教育で用いていた分類であり、これをすべての学科のキャリア教育にも適応させた。「グローバル能力」を加えたのは、新産業を牽引する人材となるためにはグローバルに活躍できることが必須であるという理由である。さらに5分類の下にそれぞれ養成すべきキャリア能力を定義し、養成すべきキャリア能力を定めた。表1にその定義を示す。

 「キャリアプランニング」は、一般的なキャリア教育の内容に近く、本校では低学年では担任を中心に学生指導してきているものである。「社会人としての基礎能力」はコンピテンシーに関する能力となっており、いわゆる生活指導に該当する部分でもある。「技術者としての能力」は高専のカリキュラムでの教育にて、主に専門科目で実施されるものである。キャリア教育プログラムのリストに科目を書き出すと膨大な量になってしまうため、リストには原則科目名を掲載しない。

「グローバル能力」での養成すべきキャリア能力は「英語でのコミュニケーション力」および「異文化理解能力」とした。次節でこれらの能力を養成するための本校の取り組みを紹介する。

2. グローバル能力の向上の取り組み

「グローバル能力」は授業やTOEIC一斉試験、海外研修、(短期)留学生の交流により鍛えていく。授業に関しては英語を用いた授業を行い、英語に触れる機会を増やすことで学生の英語に対する抵抗感をなくすようにしている。授業での英語導入方法として、「O (Oral) 教員または学生が英語で話す」、「D (Documents) 教員または学生が作る資料(板書やプレゼンのスライドを含む)が英語である」、「T (Technical terms) 専門用語の英語表記を教える」と3種類の形式を定義としてシラバスに記載することで英語導入の全体を把握するようにしている。本校ではグローバル事業の一環として本科・専攻科の学生が海外のインターンや研修に参加している。平成30年度の海外派遣学生は49名であった。さらに、グローバルコミュニケーション研修として年2回、希望学生が参加して英語でのコミュニケーション能力を鍛えている。

3. キャリア教育プログラム

 12のキャリア能力を養成するためにどのような教育活動が必要かをリストにしたものをキャリア教育プログラムとしている。リスト化するに当たり、教育活動を新規に作るのでなく、まずは従来の活動をまとめる。その次にそれぞれの活動がどのキャリア能力の養成に寄与するかを◎と○で表す。ここで◎は主体的に関与、○は付随的に関与として表すことにする。今度は、キャリア能力ごと◎や○の活動を抽出し、表を縦に見ていくことでそれぞれのキャリア能力に対する教育活動の過不足が見えてくる。不足分に対しては新たな教育活動を加え、全体の活動時間で無理のないよういくつかの教育活動は取りやめる。

 つぎに、教育プログラムは共通プログラムと専門学科による専門プログラムに分ける。共通プログラムは、全学科共通で行うものとする。これは主に低学年用のプログラムであり、特別活動を中心に実施される。専門プログラムとは、各学科の特色を活かしたプログラムであり、専門学科が主体となって実施するものである。

 以上のように教育活動をリスト化した。各活動には目的と実施方法する記載する(実施方法はHPに未記載)。なんのために活動を行っているのか漠然としていては、狙いがぶれてしまう。したがって目的の記載は重要である。実施方法を具体的に書くことで、担任によらずプログラムに沿って実施されるようにする。

4. キャリア教育プログラムの評価

一般的にキャリア教育はその効果が図りにくい。しかし学生のキャリア能力をなんらか方法で数値化ができれば、その評価値はキャリア教育プログラムの効果を図るための評価としても用いることができる。そこで学生のキャリア能力を項目ごと評価する仕組みを導入し、統計的な処理を行うことによりプログラムの改善につなげていく。本HPでは詳細は省略し、一部を紹介する。

 平成28年度から学生のジェネリックスキルを測定するためのPROGを導入してきた。特に学生の主体性といった測定しにくいコンピテンシーを数値化できるという特徴があり、平成30年度には全学生を対象に実施した。学年別の総合コンピテンシーは第1学年から第3学年にかけて僅かながら減少し、第3学年から第5学年にかけて大きく向上する。第1学年と第5学年を比べれば卒業時に総合コンピテンシーは大きくなっているが、入学から第3学年までは伸びない。したがって低学年でのキャリア教育が重要であることが分かった。

「グローバル能力」についてはTOEIC(TOEIC-IPも含む)のスコアにて評価する。本校では平成12年度から第3学年全員にTOEIC-IP試験を実施している。18年間でスコアは平均で約80点伸びているが、ここ数年は頭打ちになっている。キャリア教育により、さらなる向上が望まれる。平成31年度からは第5学年にもTOEIC-IP試験を実施し、3年からの伸び代と卒業時のスコアを把握する。

表1 養成すべきキャリア能力の分類及びその定義
分類 能力 内容
キャリアプランニング キャリアプラン 将来の生き方、社会での役割を考え計画を立てる
計画実行能力 キャリアプランに従った行動ができる
職業理解 企業や行政(官公庁)等で求められる人材とはなにか、技術者としてどのような貢献できるかを知り理解する
社会人としての基礎能力 自己管理能力 規律ある生活を送り、決められた期限を守る
コミュニケーション力 他者の個性を尊重し自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同してものごとに取り組む
チームワーク力 双方の主張の調整を図り調和を取ることができる
社会人基礎能力 社会人として求められる基礎的な能力(社会人としての一般常識、ストレス耐性、主体性)
技術者としての能力 専門知識 技術者としての必要な工学知識
実践力 技術者として必要な実践力
倫理 技術者としての倫理観
グローバル能力 英語でのコミュニケーション力 英語でのコミュニケーションできる能力
異文化理解能力 多様性が持つ価値を受け入れ環境の変化に対応できる能力
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